ホウ・シャオシェン監督『悲情城市』で一躍脚光を浴び、90年代からは『恋する惑星』などのウォン・カーウァイ監督作で爆発的な人気俳優となった香港俳優トニー・レオン。どこか哀愁漂う甘いマスクと、笑うとタレ眉になるキュートなトニーは、香港だけではなくアジア全域でも人気の国際俳優です。本記事では、そんな香港映画を代表する俳優のトニーが出演するおすすめの映画をご紹介いたします。
香港俳優トニー・レオンとは?
トニー・レオン(梁朝偉)は1962年6月27日生まれの香港俳優。
80年代に、スタンリー・クワン監督の「地下情」で注目を集め、89年には台湾のホウ・シャオシェン監督作品『悲情城市』に出演し、日本でも一躍有名に。90年代にウォン・カーウァイ監督と出会い、『恋する惑星』『ブエノスアイレス』『花様年華』にも出演し、名コンビに。さらにアンディ・ラウとの共演で大ヒットを記録した「インファナル・アフェア」シリーズにも主演し香港を代表する名俳優へとなった。
また、2008年に女優カリーナ・ラウと20年間にわたる交際を経て結婚。愛妻家と知られるトニーは本当に一途で誠実な性格なのかもしれませんね。
香港俳優トニー・レオン出演のおすすめ映画6選
香港を代表する俳優トニー・レオンが出演する映画を、私のおすすめランキング形式でご紹介いたします!
6位:『シクロ』(1996)
まずご紹介するのは、トニーがベトナム映画でヤクザ役を演じた『シクロ』です。
トラン・アン・ユン監督の元、1996年に公開された本作は、ベトナム・香港・フランスの人間ドラマ。
現代のベトナム・ホーチミンを舞台に、「シクロ」と呼ばれる自転車タクシーの運転手をしている青年が、商売道具の”シクロ”をヤクザに盗まれたのをきっかけに裏社会と関わりを持ち、やがて犯罪やドラッグに溺れていく…。
トラン・アン・ユン監督独特の色彩世界が展開されており、映像美だけでも観る価値あり!トニーは、通称「詩人」と呼ばれるベトナム人のヤクザを演じているのですが、退廃的で色気がとにかくすごいです(笑)
お色気ちょい悪ヤクザのトニーを見たい!という方は是非観てみてくださいね。
5位:『レッドクリフ Part I』(2008)/ 『レッドクリフ Part II 未来への最終決戦』(2009)
次にお勧めしたいのが、トニーレオン主演の歴史アクション映画『レッドクリフ』シリーズです!
ジョン・ウー(呉宇森)監督が赤壁の闘いを豪華キャストで描いた中国アクション映画で、前編・後編の二部作に分かれています。前編にあたる『レッドクリフ PartI』が2008年、後編にあたる『レッドクリフ Part II -未来への最終決戦-』が2009年に公開されました。
蜀の劉備を支えた名軍師・諸葛孔明を金城武、チャン・チェン、ビッキー・チャオ、リン・チーリン、中村獅童などアジアの豪華俳優・女優が集結。トニーは呉の孫権に仕えた水軍の将・周瑜を演じています。
舞台は、三国時代の中国。漢の丞相の曹操(のちの魏の礎を築いた)は、北部を平定した後、南部も制圧するために兵を進める。その目的は、天下統一に邪魔な劉備・孫権の抹殺だけでなく、今は周瑜の妻となった天下一の美人小喬の奪取にもあった。荊州にいた劉備軍は南下して軍を立て直そうとするが、途中の当陽県長坂にて追いつかれ、敗走する。
夏口へ逃げた劉備は、部下の諸葛亮(孔明)の提案に従い、孔明を孫権(のちに呉を建国)のもとへ派遣する。孔明は孫権の総司令である周瑜と意気投合し、2つの勢力は共に曹操と戦う同盟を結ぶ。孫権は数万の軍勢を派遣し、劉備軍とともに長江の赤壁付近で曹操軍と相対し、両者互いに決戦のために水軍と陸軍を動かすのだった…。
「赤壁の戦い」は授業でなんとなく習ったものの、中国史の知識が全くなかったので、はじめて本作を観た時は、名前と役柄が混在して誰がなんなのか分からず物語が中々入ってきませんでした(泣)しかし、三国史の時代背景などを知ってから改めて映画を見返してみると、その面白さに気づき、歴史上の人物をアジアのスター達が演じているのに興奮!(笑)
中国史に興味がある方、将軍トニーを観たい!という方は是非観てみてくださいね!
4位:『ブエノスアイレス』(1997)
4番目におすすめしたいのが、ウォン・カーウァイ監督が同性愛をテーマに描いた『ブエノスアイレス』です!レスリー・チャンとトニー・レオンが恋人役を演じ、アルゼンチン・ブエノスアイレスを舞台に、男同士の切ない恋愛や人間模様を描いた恋愛映画です。
激しく愛し合いながらも別れを繰り返してきたウィンとファイは関係を修復するためイグアスの滝へ向かうが、途中で道に迷って言い争い、そのままケンカ別れしてしまう。その後、ブエノスアイレスのタンゴバーでドアマンとして働いていたファイのアパートに、傷ついたウィンが転がり込んでくる。仕方なくウィンを居候させるファイだったが、ケガから回復したウィンはファイの留守中に出歩くように。そんな中、転職して中華料理店で働きはじめたファイは、同僚の青年チャンと親しくなる…。
実は、この映画にはちょっとした面白エピソードが。トニーは「同性愛者役はできない」と出演を辞退していたのですが、「亡き父の恋人をアルゼンチンに探しに行く息子の物語」に書き改めた新企画をウォン・カーウァイに提示され了承。しかし現地に着いてみるとストーリーは大きく変更されていたらしいです(笑)おそるべきウォン・カーウァイ監督!
ちなみに、2017年アカデミー作品賞に輝いた『ムーンライト』には、本作のオマージュがいくつかあります。
3位:『花様年華』(2000)
3番目におすすめしたいのが、またまたウォン・カーウァイ監督作品の『花様年華』。トニー・レオンとマギー・チャンを主演に迎え、それぞれ家庭を持つ男女の不倫の愛を描いた大人の恋愛ドラマです。
1962年、香港。新聞編集者の男性チャウと商社で秘書として働く女性チャンは、同じ日に同じアパートに引っ越してきて隣人になる。やがて2人は互いのパートナーが不倫関係にあることに気づき、時間を共有するように。戸惑いながらも、強く惹かれ合っていくチャウとチャンだったが……。
本作はとにかく、マギー・チャンの色気がすごい!!(笑)
カメラの撮り方、音楽、醸し出される雰囲気、そして衣装や美術、全てにおいて色っぽく上品で素敵です。正直、本作ではトニー・レオンより”マギー・チャンの一人勝ち”というくらい、素晴らしい演技をしているのですが、そんなマギーに惚れてしまうトニーを観たいという方は、是非チェックしてみてください!
2位:『インファナル・アフェア』(2002)
2番目におすすめしたいのが、トニー・レオンとアンディ・ラウが共演した『インファナル・アフェア』です。3シリーズまで続いていますが、ダントツでおすすめしたいのが、第1作目!
警察に潜入することを命じられたマフィアの青年と、マフィアに潜入して捜査をすることを命じられた警察官青年は、ともに18歳。その10年後、ある覚醒剤取引きをめぐってお互いの存在を知った2人に、避けられない対決の時がやってくる…。
本作はハリウッドや日本でもリメイクされた香港を代表する名作!トニーはマフィアに潜入して捜査する警察官を演じています。スパイ同士の緊張感あふれる闘いはハラハラドキドキで映画自体は勿論のこと面白いのですが、何より本作のトニーが渋くてカッコいいのです!
髭を生やして困り眉毛のトニーを存分に楽しみたいという方は、是非チェックしてみてください!
ちなみに、香港の友人とトニー派か?アンディ派か?という話題でかなり盛り上がります(笑)
1位:『恋する惑星』(1994)
私がトニー・レオン出演作品で何よりもおススメするのが90年代のポップな香港を味わえる『恋する惑星』!『ブエノスアイレス』『花様年華』のウォン・カーウァイ監督が香港の重慶マンションを舞台に、ある二組のカップルの出会いを描いた恋愛映画です。
失恋した警官223号(金城武)は、逃亡中のドラッグ・ディーラーの女(ブリジット・リン)と出会う。続いて、恋人とすれ違いが続く警官663号(トニー・レオン)は、飲食店〈ミッドナイト・エクスプレス〉の店員フェイ(フェイ・ウォン)と出会う…。
ウォン・カーウァイ監督作品の中でも本作はとってもおススメ!ポップでテンポもよく、ワンカットずつ停止しても、絵になるような映像美と構成になっています。
本作にて警察官の制服をきっちり着こなしたトニーですが、プライベートではチェックのシャツとジーンズ、そして家の中では白のタンクトップとブリーフ姿というギャップに思わずときめき!
トニーがブリーフをビックリするくらいセクシーに着こなしているので是非見てみてください(笑)
まとめ
以上、香港俳優トニー・レオン出演のおすすめ映画6選でした!
気になる作品はありましたか?
来年にはなんとトニーがマーベル作品『シャン・チー』で悪役を演じることが発表されました!
トニーがいよいよマーベル参戦!これは楽しみですね!
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