2016年に発行され、韓国で社会現象になった同名べストセラー小説を、チョン・ユミ&コン・ユのW主演で映画化した『82年生まれ、キム・ジヨン』。
韓国では2019年10月に公開され、女性からの圧倒的な支持を集めて、ベトナム・香港・シンガポールなどその他アジア諸国にて随時公開中の話題作です。
以前から気になっていたそんな本作を、いち早くウォッチしてきました!
どんな内容?キャストは?面白いの?という疑問にお答えしつつ、 見どころや私の感想、そして気になる日本公開についてご紹介します。
映画『82年生まれ、キム・ジヨン』概要
まずは、映画のあらすじ、キャストやスタッフなどの基本情報についてご紹介します。
あらすじ
キム・ジヨン(チョン・ユミ)は、ごく普通な30代の専業主婦。
IT会社に務める夫と幼稚園に通う幼い娘と3人でソウルの郊外で平凡に暮らす。
家事と子育てに追われ、姑との関係や専業主婦であることへのストレスを感じつつも、 愛する家族に囲まれながら日々過ごしていた。
しかし、ある日を境にジヨンの夫であるデヒョン(コン・ユ)は、自分の妻の異変に気づく。 心配したデヒョンは精神科医の担当医に会いに行き、「自分の妻は、突然、家族や友人の人格が取りついたかのように話しはじめるのです」と打ち明けるのだった…。
果たして何がジヨンの精神を異変に変えてしまったのか?
本作では、幼少期、学生時代、受験、就職、結婚、育児…と主人公ジヨンの人生を振り返り、何が彼女の精神を追い込んだのか、そして、それを夫や家族とどう乗り越えていくのかを描いた人間ドラマです。
キャスト
チョン・ユミ(キム・ジヨン役)
主人公のジヨンを演じるのは韓国の実力派俳優、チョン・ユミ。
本作では大学生、OL、そして母親役まで違和感なく演じ分けています。
また、あまり感情を露わにしない主人公を、怒りや悲しみ、苦痛や嬉しさなどを密かな表情で魅せる演技にも注目です!
コン・ユ(チョン・デヒョン役)
主人公を支える夫、デヒョンを演じたコン・ユは、『コーヒープリンス1号店』などで有名な韓国のイケメン俳優ですね。
昔はキラキラした王子様キャラを演じていたイメージがありますが、ここ数年はシリアスで社会的な映画でも活躍しています。
妻の気遣いながらどう支えていいのか分からず葛藤する夫を繊細に演じています。
作品情報
原題 | 82년생 김지영 |
英題 | Kim Ji-young: Born 1982 |
製作国 | 韓国 |
ジャンル | ドラマ |
上映時間 | 118分 |
監督 | キム・ドヨン |
キャスト | チョン・ユミ、コン・ユ、キム・ミギョン、ゴン・ミンジョン その他 |
映画『82年生まれ、キム・ジヨン』見どころ
次に、本作の見どころを3つに分けてご紹介します。
- 累積100万部を突破したベストセラー小説の映画化
- 実力派俳優!チョン・ユミ&コン・ユの3度目の共演!
- 日本人でも共感できる、”女性の社会問題”がテーマ
累積100万部を突破したベストセラー小説の映画化
本作の原作は、作家チョ・ナムジュによる同名小説。
韓国では100万部を突破し、女性主義ブームのきっかけとして社会現象にまでなりました。韓国のK-POPアイドルたちも絶賛するほどの人気小説です。
2018年に発売された日本語版も発売1カ月で5万部を突破し、韓国のみならずアジアでも沸々と話題になっています
実力派俳優!チョン・ユミ&コン・ユの3度目の共演!
主演のチョン・ユミ&コン・ユは、『トガニ 幼き瞳の告発』『新感染 ファイナル・エクスプレス』に続いて今回が3度目の共演。
『トガニ 幼き瞳の告発』は、コン・ユ演じる主人公の教師が、転勤先の聴覚障害者学校の教員たちによる生徒への性虐待に気づき、それに立ち向かう物語。チョン・ユミは彼とともに事件を世間に広めようとする人権運動家を演じています。
一方で、『新感染 ファイナル・エクスプレス』では、新幹線の乗客が謎のウイルスに感染し、次々とゾンビ化していく物語。コン・ユは、幼い娘を連れた父親。そししてチョン・ユミは、マ・ドンソクと夫婦の妊婦役を演じました。
実は、私はどちらも大好きな作品だったので(とくに新感染は最高でした…!)
映画『82年生まれ、キム・ジヨン』の情報を知ったときは2人の三度目の共演に大興奮!
今回はじめての夫婦役ということですが、息の合った2人の演技に注目です。
日本人でも共感できる、”女性の社会問題”がテーマ
実は、この映画の大テーマは”フェミニズム”です。
フェミニズムって何?って方はまずはこちらを。
”フェミニズム(英: feminism)とは、女性解放思想、およびこの思想に基づく社会運動の総称であり、政治制度、文化慣習、社会動向などのもとに生じる性別による格差を明るみにし、性差別に影響されず万人が平等な権利を行使できる社会の実現を目的とする思想・運動である。”
フェミニズム – Wikipedia
世界的にも「#MeToo運動」など女性の社会問題が話題になっている中で、本作でも”フェミニズム”をテーマに取り扱っています。
例えば、劇中のとあるシーン。
亭主関白な父親の元で育った主人公。高校生の時に、学校の男子生徒からストーカーにあってしまい、泣きながら父親に助けを求めます。迎えに来てくれた父親と家に帰る道の途中で、”誰にでも愛想をふるまうからだ。笑うな。スカートも短すぎるからいけないんだ”と逆に責められてしまうのです。
こういった女性ならではの苦痛や悩みが劇中の至る所に描かれています。
海外の映画でありながら、日本人にとっても身近に感じることができるのではないでしょうか。
感想
「好きな役者のW主演で、何やら感動しそうな人間ドラマ」という前情報のみで鑑賞してきました。原作も未読です。そんな私の感想をご紹介します。
涙腺崩壊…!スクリーンにいる、みんなが泣いた。
泣いた。とにかく泣きました。
私だけではなくスクリーンにいるみんなが、鼻をすすり泣いていました(笑)
主人公の幼少期から現在までの経緯がどんどん描かれていくのですが、
女性なら誰もが経験したことあるような理不尽や不平等が劇中たくさん散りばめられてします。
映画の冒頭では精神病でおかしくなる主人公に対して「ちょっと怖いな…」としか思わなかったですけど、
確かにこの社会の中で生活していれば、誰もが精神病になってもおかしくないかもしれない…と思えてきます。
また、そんな精神病の主人公に寄り添い、理解しようとする夫と家族との絆にまた涙を奪われてしまいました。
自分の妻が、自分の娘が、自分の姉が精神病にかかったと知る時の衝撃。
どう受け止めればいいのか。そして、こらからどう支えていくのか。
夫婦・家族の在り方についても考えさせられる温かい人間ドラマでした。
おすすめ度 4.3点 / 5点
- とにかく女性におすすめ!
- 少し暗くて内容が重めなので、気軽に観るものではないかも。
- 男性は観ていて辛いかもしれない(けど観てほしい!)
どうしてもフェミニズムを扱ってる作品なので、男性にとっては観ていてつらい部分があるかもしれません。
でも、「男性が悪い!」というような単純で乱暴な描かれ方はしていないので、ご安心ください。女性とどのようにして歩んでいくかのヒントにもなるかもしれません。
海外からの評価
現在、韓国をはじめとするアジア各国で上映中の本作ですが、海外での反応はどうでしょうか?
- アメリカの有名映画サイト、IMDBでは、7.5 / 10点
- 韓国のレビューサイト、watchaでは、3.4 / 5点
- 香港の有名映画サイト、HONGKONG MOVIEでは、4.4 / 5点
海外レビュー抜粋
- 誰もが見なければいけない、みんなの物語
- この世界生きていくすべての女性の日記。私だけではなく、私たちのすべての物語。
- 映画の半ばから後半は、涙を流さずにはいられません。隣の女性はティッシュペーパーを探していました。
まずまずの高評価ではないでしょうか!
日本公開は2020年10月9日に決定!(3/10追記)
遂に、遂に、遂に・・・!日本公開が発表されました!
日本公開は10月9日、新宿ピカデリー他にて公開!
配給はクロックワークスさんです!
韓国の公開から1年後という(笑)日本公開はいつも遅いんですよね。
でも新宿ピカデリーメイン館と聞いて、思っていたより大規模で公開しそうで安心しました!
楽しみに待っておきましょう!
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