みなさん、「ポルノ映画館」ってご存知でしょうか?
名前の通り、成人男性向け映画(ポルノ映画)を専門で上映する映画館のことですが、その館内の実態や、今もなお、東京をはじめ各都市に現存していることを知っていましたか?
私は、学生時代に受講していた映画史の授業でロマンポルノ、そしてポルノ映画館の存在を知り、大きな衝撃を受けたことを今でも鮮明に覚えています。そしてその”特別な映画館”に非常に惹かれ、興味をもちました。
(女性が行っても大丈夫なのか?)と不安だったので、リサーチにリサーチを重ね、意を決して東京・上野にある”上野オークラ劇場”に行ってみました。
本記事では、そんなポルノ映画館・上野オークラ劇場を体験した感想、基本情報、女性が行く際の注意点、またポルノ映画館の歴史と現在についてご紹介します。
上野オークラ劇場に行った感想
結論、女性でも大丈夫!普通に映画を鑑賞できました!
結論からいうと、女性でも安心して映画を観ることができました。
補足を加えると、きちんと準備をして注意を払いながら鑑賞すれば大丈夫です。
後述で注意点を記載していますが、まず第1に女性のみで行かないこと。
私は学生時代に上野オークラ劇場デビューしてから、その後も何回か行っていますが、毎回女友達+男友達2人以上の複数人で行くようにしています。
そのため、一度も危険な目にあったことがありませんし、(多少のドキドキはありつつ)安心して映画館を楽しむことができました!
昭和の香りただよう、不思議な空間でした
上野オークラ劇場のお客さんのほとんどは、50代~80代くらいの男性客です。
サラリーマンというより、ご老人の方が多く、中にはスカートをはいて女装している方も。
ポルノ映画館自体がイマドキ珍しい空間なので、館内はまるで昭和にタイムスリップしたかのような雰囲気。
入口にはいるとすぐに券売機があり、チケットはそこで購入することができます。
受付のおばさんはとてもフレンドリーな方で、はじめてで戸惑う私たちの代わりに券売機を操作してくれました。
1Fと2F席があるのですが、女性は2Fは入れないと説明を受け、そのまま1Fの席へ(理由は後ほど)
”ゲイの人たちの出会いの場”でもあるらしい
いざスクリーンの中へ!
半分くらい空席なのに、後ろで立っている人が多い。。
とりあえず私たちはガラガラだった前方の椅子へ着席。
そして上映がはじまると、なんと後ろに立っていた方々がスクリーン内の通路を歩きまわりだしました!
実は、現存するポルノ映画館は、ゲイの人たちの出会いの場(ハッテン場)として存在しているところが多く、上野オークラ劇場もその中の1つと思われます(中には女性が入場できないポルノ映画館もあるといいます)
そのため、出会いを求めてスクリーンを歩いているのです。
ちなみに、女性が入場できない2Fはプレミアム・シアターといって、完全な出会いの場として来場している方向けらしい。その詳細は不明。
私たちは、ひたすらグルグル歩きまわる人を横目に、映画に集中することにしました。
作品はとても面白かった!
さて、気になる上映作品ですが、主に2パターンに分かれます。
- 昔のロマンポルノ
- 現代のポルノ映画
昔のロマンポルノは、がっつりと濃厚なポルノな雰囲気がして、映像も古そうで少し抵抗がありました。
そのため、ポップそうな現代のポルノ映画を鑑賞することに。
ここで上映されている現代のポルノ映画は、全体的にコメディ要素が強く、一種のB級映画のよう。
私がはじめて観た作品『魅惑のラブドール』は、老人男性がラブドール(人間にそっくりな女の子の人形)と性交渉をしていくうちに、そのラブドールに命が芽生えていくというラブファンタジー(笑)
「え!?そっちの展開にいく!?」と予想外で無理やりな設定が多く、さらに予算上の関係なのか不自然で大雑把なCGも目立つため、もはやB級コメディ映画として純粋に面白かったです。
私は笑いすぎて泣いてしまいました(笑)
こうして無事、映画鑑賞を終え、あまりの面白さに上野オークラ劇場の魅力にハマっていまった私は、その後も何度か足を運んでしまうのです…。
上野オークラ劇場とは
次に、上野オークラ劇場の基本情報についてご紹介します。
実は通常の映画館とシステムがかなり違います。
上野オークラ劇場の基本情報
上野オークラ劇場は、自由席・3本立て・毎日オールナイトです。
1日3本の作品を上映しており、一度入場してしまえばずっと館内にいることができます。
途中でロビーで休憩してまた再入場することもOK。
また、当たり前ですがR18作品なので、18歳未満は入場できません。
運営元 | 大蔵映画株式会社 |
電話番号 | 03-3831-0157 |
住所 | 〒110-0005東京都台東区上野2丁目13−6 |
アクセス | 京成本線 京成上野 池之端口 徒歩1分JR上野駅 不忍口 徒歩3分 |
座席 | 席数 188席(うち2階プレミアムシアター47席) |
営業時間 | 10:00~翌5:00(上映プログラムによって変動あり) |
外部リンク | 上野オークラ劇場 公式サイト / Twitter / Instagram |
上映されている作品ってどんなの?
先ほどご紹介したように、主に昭和の雰囲気あふれるロマンポルノから最新のピンク映画までを上映しています。
以前に観に行ったこちらの作品は、アメコミ映画『ワンダーウーマン』のパロディでした(笑)こういったパロディ系の作品は気軽に観れますし、くだらなくて面白いです。
同行してくれた男友達曰く、ポルノ映画はAVとは全然違うらしいです。
あくまで映画なのでストーリーの起承転結がしっかりあると言っていました。
また、実はオークラ劇場の運営元である大蔵映画株式会社は、自社で映画の製作(OP映画)を手がけており製作数は国内1位のシェア率を誇ります。上野オークラ劇場は、そんな自社製作映画の封切館(世に上映されるはじめての映画館)です。
1962年(昭和37年)にはピンク映画第一号と言われる「肉体の市場」を配給して大ヒットさせ、以降、R-18映画への転換を図りました。現在では、系列のOP映画にて年間40本近くの作品を製作・配給。製作数では国内一位のシェアを誇っております。
大蔵映画株式会社公式サイトより
作品は封切り館「上野オークラ劇場」を始め直営4館に加え、国内約50館の劇場に配給し、さらなる市場を求めて海外進出も予定しております。
そのため、大蔵映画が製作する最新の作品を観ることができるのです。
上映スケジュールの確認方法・チケット購入方法
上野オークラ劇場の上映スケジュールは、公式サイトから確認できます。
オンライン予約などはなく、窓口販売のみです。
公式サイトで時間を確認したら、それに合わせて直接映画館に行きましょう。
映画館入口すぐに券売機があるのでそこでチケットを購入できますよ。
料金 | 大人 1,700円 一般 学生 1,400円 大学生、専門学校生 シニア 1,400円 60歳以上 障害者割引 1,400円 障害者手帳提示、付き添い1名まで 二階席 2,000円 プレミアムシアター 二階席(学生・シニア) 1,700円 プレミアムシアター |
学生や女性もOK!舞台挨拶やサイン会などのイベントも開催
一部のポルノ映画館は、女性の入場ができなかったりと制限があるのですが 上野オークラ劇場は、学生や女性も入場することができます。
2010年には、なんと女性限定上映会を実施したようです(笑)
女優さんや監督の舞台挨拶・サイン会・握手会も頻繁に実施されており、その様子は和気あいあい。
また、Twitter や Instagramでもよく投稿されているので是非チェックしてみてください。
”ポルノ映画館”のこれまでと今
ちょっと前ですが女優の橋本愛さんが、昔ポルノ映画館によく通っていたと告白したインスタが話題になっていました。意外と、若い人や女性の中でも気になる人が多いポルノ映画館。
ここで少し、ポルノ映画館そのものについてご紹介します。
インターネット普及前は、映画館はポルノを観ることができる唯一の場
ポルノ映画の最盛期は1980年代。
一般人にとって、ポルノ映画館はポルノを観ることができる唯一の場所でした。
全国で1000館以上のポルノ映画を上映する映画館があり、年間200本以上の新作映画が上映されていました。
そして、1970年代にはあの有名な日活ロマンポルノが一躍話題に。
さらにポルノ映画は製作費が安くすむため、沢山の作品が製作されました。
しかしその後、ビデオデッキが出て、90年代にはインターネットが普及。
ポルノは映画館から、ネットで簡単に観ることができる時代になりました。
2014年に「新橋ロマン劇場」、2016年には「飯田橋 くらら劇場」が閉館し、都内には池袋と上野にある4館のみ。
日本全国だと45館ほどが営業しています。
現存するポルノ映画館は、色々な空間として人が集まる
もともとは単純にポルノ映画を目的に観客は足を運んでいましたが、現在は色々な空間として活用されているポルノ映画館。
主には、前述でもご紹介したように”ゲイの人たちの出会いの空間”として現存しているところが多いようです。
中には、女装した人たちが集まるところもあるとか。
2016年に飯田橋にある「くらら劇場」が閉館すると知り、どうしても行ってみたかった私は直接劇場に電話をして聞いてみたことがあります。
しかし、そこは”完全に男性だけの空間”らしく、女性は入れないと断られてしまいました。
各映画館によって、特徴や趣旨が異なるようなので気になる映画館があればリサーチが必要です。
少なくとも、割と気軽に観れて女性でも安心できるのは上野オークラ劇場です。
若い人にも興味を持ってもらおうと、新しいプロジェクトが始動
近年、ポルノ映画文化を若い人や女性に広めよう!という新しい動きがあります。
たとえば、従来のR18+の作品に編集を加えて、R15+にした「OP PICTURES+」というプロジェクトは、年1回のペースで一般映画館にて上映イベントを行っています。
さらに、2016年には『45周年記念・日活ロマンポルノリブートプロジェクト』が始動。
70年代の日本ポルノ映画業界を一躍旋風した日活が有名監督を起用して現代版のポルノ映画を製作・配給しました。
『愛のむきだし』『冷たい熱帯魚』の園子温、『世界の中心で愛を叫ぶ』の行定勲、『彼女がその名を知らない鳥たち』『凶悪』の白石和彌などの超有名監督が参加しています。
女性が上野オークラ劇場に入場するときの注意点
最後に、上野オークラ劇場に女性が入場するときの注意点をまとめました。
- 女性だけで入場しないこと。男性同伴+複数名だとなお安心
- 行くとしたら、朝~夕方までの時間帯にしておきましょう
- 隣の席は空席にしておきましょう。端側に座るか、荷物を置いてスペースを作ろう
- 若干空気がこもっているので、気になる人はマスク持参しよう
- あくまでポルノ映画なので根本的に抵抗がある方はやめておこう
上野オークラ劇場が気になるけど不安!という方は是非参考にしていただければと思います!
まとめ
今回は、
- 上野オークラ劇場に行った感想
- 上野オークラ劇場とは
- ”ポルノ映画館”のこれまでと今
- 女性が上野オークラ劇場に入場するときの注意点
についてご紹介しました!
10年後、20年後、ポルノ映画館が残り続けるのか分からなくなってきた今の時代。
もし興味があれば、是非今のうちに行ってみてくださいね。
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